2022年05月16日 からだの情報

心房細動治療の三つの柱

心房細動治療の三つの柱

欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)の2020年のガイドラインで心房細動治療のポイントをわかりやすく挙げているので、ご紹介します。

A: Anticoagulation/Avoid stroke→脳卒中予防のための抗凝固療法

B: Better symptom control→症状の改善

C: Comorbidities/Cardiovascular risk factor management→心血管リスクの是正

 

A: Anticoagulation/Avoid stroke→脳卒中予防のための抗凝固療法

心房細動が脳卒中(脳塞栓)の原因になることは前回お伝えしました。心房細動そのものは若年から高齢者まで広く発症する可能性のある不整脈ですので、すべての方に抗凝固療法を行うわけではありません。大切なのは脳卒中リスクを考慮し、適切に治療を行うことです。

そのための『ものさし』としてCHA2DS2-VAScやCHADS2スコアを参考にします。(簡単に説明すると、年齢とともに脳卒中の危険性は上がり、それは併存疾患の存在でさらに助長される。その併存疾患は心不全、高血圧、糖尿病、狭心症などの血管疾患であるというものです)一般に、抗凝固療法を行うと脳卒中の危険性は約70%程度減少します。

B: Better symptom control→症状の改善

心房細動は半数以上の方で何らかの症状を訴えます。動悸、倦怠感、息切れ、不眠、頻尿など様々です。いったん症状が出ると、動けなくなるほど自覚症状が強い人もいます。ですので、目に前にいる患者さんの症状コントロールは心房細動治療において非常に重要なウエイトを占めています。心房細動は脈が乱れ、早くなりやすい不整脈ですので、適切な薬物介入で心拍数をコントロール(レートコントロール)したり、心房細動を治す試み(リズムコントロール)を検討します。心房細動を治すためには抗不整脈薬やカテーテル治療(カテーテルアブレーション)などを検討するため、専門医の適切な介入が必要になります。

C: Comorbidities/Cardiovascular risk factor management→心血管リスクの是正

心房細動と生活習慣には密接な関係があります。糖尿病や高血圧、高尿酸血症などの治療はもちろんのこと、すでに心筋梗塞や心不全の既往がある場合、適切な二次予防が必要です。また、肥満や無呼吸症、飲酒や喫煙なども心房細動の発症や悪化に強く関係するとされており、特に高血圧への介入、減量、節酒は心房細動の発作回数を減らすことが証明されているため、その是正は非常に重要とされています。また、適度な運動も発作軽減に有効ですので、運動習慣のない方は是非ご検討ください。

*2020 Guidelines for Management of Atrial Fibrillation ESC Clinical Practice Guidelines

 

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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