2023年12月19日 診療内容について

呼気一酸化窒素濃度(FeNO)の測定ができるようになりました

季節の変わり目の咳、風邪を引いた後に咳だけ長引く、そんな経験をしたことがある方もいらっしゃると思います。コロナ禍を経験し、咳についていろいろな意味で過敏になっている方も多いと思います。
『会議で咳をすると目線が気になる』
『電車の中で咳ができない』
『咳がとまらず、胸が痛くなったり、肋骨にヒビが入ったことがある』
『咳で夜が眠れない』
このような気になる咳の中に咳喘息や気管支喘息が隠れているかもしれません。

咳は診療する機会が多い症状ですが、その原因は様々でなかなか奥が深いです。
その中で特に咳喘息や気管支喘息はしっかりとした管理が必要になります。このたび当院では咳の患者さんの診療精度を上げるため呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を測定する機器(NObreath)を導入いたしました。

呼気一酸化窒素濃度は『吐く息(呼気)』の中に含まれる一酸化窒素(NO)のことで、気道の炎症状態(好酸球性炎症)を確認し、診断・治療の評価に有効な指標です。NOは気道を拡張する作用がある反面、炎症が進むことで気道過敏性が増すことにも関係しています。つまりザックリと説明すると、気道が狭くなる病気(喘息など)があると、生体はその状態を改善しようとし、気道を広げるためにNOを産生しようとするというプロセスが働く、というものです。

このようなFeNOですが、以下の目的で検査が行われます
・気管支喘息や咳喘息の診断
・ステロイド治療が有効かどうかの判定
・治療による炎症の評価
ただし、診断は症状などを含めた他の指標も考慮し、総合的に判断します。

検査時間そのものは数分程度ですので非常に簡便ですが、検査前の食事の影響やカフェイン摂取、喫煙などに影響を受けるため、より精度の高い結果を求める場合には検査前1時間程度は飲食を控えていただくことが必要になります。

参考文献およびURL
Chest. 2016 May;149(5):1340-4.
Eur Respir J. 2020 Mar 26;55(3):1901633.
Am J Respir Crit Care Med. 2021 Apr 1;203(7):809-821.
https://www.youtube.com/watch?v=cXhhuCxr0xk&t=70s

 

 

 

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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