2022年05月24日 予防接種

帯状疱疹ワクチンをお受けいただけます

帯状疱疹ワクチンをお受けいただけます

当院では、帯状疱疹予防のためのワクチン(シングリックス)接種を開始いたします。

帯状疱疹について理解を深めていただきたいので、その概要についてご説明したいと思います。

帯状疱疹とは
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV: Varicella Zoster Virus)が原因で起きる皮膚疾患です。一般の方には水ぼうそうの原因ウイルスといったほうが分かりやすいかもしれません。このウイルスは人に感染し、水ぼうそうを起こした後、体内に潜伏します。(日本人成人の90%以上はウイルスが体内に潜伏しているとされています。)加齢や病気で免疫能力が低下するとウイルスが再活性化し、痛みを伴った発疹を合併することがあります。80歳になるまでに3人に1人は発症すると言われており、非常に身近な皮膚疾患と言えます。

顔面や胸部、手などのピリピリ感に始まり、1~5日程度経過した後、小さな発疹を認めるようになります。発疹そのものは2~4週間程度(もっと長く続く例もあり)で治癒しますが、できるだけ早い段階で治療を行うことが望ましく、一部の方に帯状疱疹後神経痛(PHN: Postherpetic Neuralgia)が残ることがあります。50歳以上で発症した何割かにこの神経痛が残存することがあり、1年以上痛みに悩まされることも珍しくありません。

皮膚の発疹や痛みだけが問題ではありません。鼻根部(鼻筋)や上眼瞼(上まぶた)に発疹を認める場合、角膜ヘルペスを合併している可能性があるため、眼科受診が必要になります。また、顔面神経麻痺、耳介帯状疱疹、めまい、難聴などを認める(ラムゼイ・ハント症候群)こともあり、一般的な顔面神経麻痺(ベル麻痺)との鑑別が難しいこともあります。

治療は、抗ウイルス薬の内服(アメナリーフ、ファムビル、バルトレックス、ゾビラックス)をできるだけ早く行い、発疹や水ぶくれには必要に応じ処置を行います。

帯状疱疹ワクチン
このような帯状疱疹を非常に効果的に予防できる方法がワクチンです。当院ではシングリックス(グラクソ・スミスクライン)を採用しています。その概要についてお伝えしたいと思います。(当院では水痘生ワクチンの採用はございません)
対象:50歳以上および帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者*
*目黒区公費対象は50歳以上からになります

接種不適当者
・過去、シングリックスでアナフィラキシーを合併したことがある方
・発熱などの急性疾患にかかっている方

接種について
筋肉内に注射します。1回目の接種から2か月以上あけて2回目の接種を行います。
2回目は遅くとも1回目から6か月後までに接種を終えます。

効果について1)2)
<発症予防効果>
50歳以上を対象にした検討では、非接種者に比べ、帯状疱疹の発症を約97%減少させ、70歳以上を対象にした場合でも約90%減少させました。

<帯状疱疹後神経痛の予防>
50歳以上を対象にした検討では100%の予防効果が確認され、70歳以上の検討では85.5%の予防効果を認めました。

ワクチンの非常に高い効果は最低9年以上継続することが証明されています。3)

副反応について
注射部位の疼痛や発赤は70%以上の方に認められ、発熱、頭痛、全身の筋肉痛なども10~40%程度の方に認められます。ただこのような副反応は数日以内におさまることがほとんどです。重篤な副反応はプラセボ群(非接種)と変わらないことが証明されています。

費用について
定期接種の対象になっていないため自費になります。

定期接種の対象になっていないため自費になります。
当院では1回目、2回目ともにそれぞれ20000円(ワクチン、接種費込み)になります。
(2回合計40000円)

非常に高額なワクチンのため、接種をご希望いただいてからのキャンセルはできませんので、ご了承ください。

参考文献
1)N Engl J Med. 2015 May 28;372(22):2087-96.
2)N Engl J Med. 2016 Sep 15;375(11):1019-32.
3)Hum Vaccin Immunother. 14(6), 1370-1377, 2018.

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

注意事項

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※当院の診療は一般成人の方が対象です。

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