2023年07月27日 からだの情報

お酒は結局、どのくらいまでならOK?

お酒(アルコール)と体調はご存じのとおり、密接に関連しています。
私の専門である循環器についてちょっと考えただけでも、

・飲酒が増えると血圧が上がる
・飲酒で中性脂肪が上がる
・飲酒で肝臓が悪くなる
・飲酒は太る
・飲酒で無呼吸症が悪化する
・飲酒で睡眠の質が悪化する
・飲酒で心房細動発症の危険性が増す などなど・・・
少なくともプラスの作用はあまりおもい浮かびません。(残念ながら)

以前、アルコールと心房細動について書かせていただきました。心臓だけにフォーカスをすると、ごく少量のアルコールであれば、心血管病は減らすことができる可能性がありますが、心房細動はごく少量の摂取からその発症リスクが増すことが知られています。

また、アルコールは発がんのリスクを高めるなど、医学的にはなかなかよい情報が見つからなさそうです。ただ、以前にもお伝えしましたが、アルコールそのものは気持ちをリラックスさせ、周囲とのコミュニケーションにもよい影響を与えることがあるなど、決して無視できないポジティブな側面も持っています。実際、アルコール摂取後に脳の活動を調べると、ストレスが軽減していることが証明されています。

最も新しい論文報告では、毎日のアルコール摂取量が少量から中等量の場合、死亡リスクと有意な関連はありませんでしたが、摂取量が増えると死亡リスク増加が認められたとされています。(この論文における中等量はビール1L/日程度と想像よりやや多い)

このように考えると、心房細動や発がんのリスクはあるにしても、節度を持って常識的に楽しむ程度であれば、それほど心配はしなくてもよいように思います。個々人で背景となる状況は異なるので、適切な摂取量についてはかかりつけ医と相談してみてはいかがでしょうか?

参考文献
JAMA network open. 2023 Mar 01;6(3);e236185
J Am Coll Cardiol. 2023 Jun 20;81(24):2315-2325.
https://nakameguro-cl.com/news/alcohol/
 

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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