コーヒーの認知機能低下への効能が証明された?

かなり以前になりますが、コーヒーの功罪について書かせていただきました。少なくとも適量(おおむね3杯/日程度まで)であれば、糖尿病予防効果やコレステロール値改善など、複数の効果が期待できます。その中で、以前から注目されているのは認知機能低下予防効果ですが、過去の検討では十分に証明できたものはありませんでした。
話は変わりますが、心房細動という不整脈と認知機能低下(認知症)には強い関連があることが証明されています。脳血流が不安定になったり、非常に微細な血栓が脳へ飛んでいる可能性などが原因として議論されています。
今回、心房細動の方とコーヒー摂取量、またそれによる認知機能低下予防効果が検討、発表されました。それによると、コーヒーを1杯/日程度飲むより、数杯以上飲む方(最大5杯/日)が、認知機能低下の予防効果が顕著で、血液検査上の炎症マーカーも改善したというものでした。
著者も論文中に述べていますが、もちろん今後さらなる研究が必要です。ただ、ご高齢の方でコーヒーが好きな方は多くいらっしゃると思います。適量であれば嗜好品としてコーヒーは最高の一つと言えるのではないでしょうか?
参考URL
J Am Heart Assoc. 2025 Jan 7;14(1):e034365.
当院ブログ(からだの情報)
https://nakameguro-cl.com/news/coffee/
https://nakameguro-cl.com/news/coffee-3/
https://nakameguro-cl.com/news/coffee-5/
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創