そのサプリ、あまり意味がないかもしれません

ドラッグストアに行くと、所せましと多くのサプリが陳列されています。先日、駅前のお店に行った際、店員さんと立ち話になりました。複数のサプリをまとめ買いする方も多くいらっしゃるとのことでした。サプリはドラッグストアの中でもドル箱だそうです。その中でもビタミンは特に売れるそうで、サプリ購入の際にはどの方も必ずと言ってよいほど手を伸ばすそうです。
そんなビタミンですが、ある程度年齢を経た方であれば、ビタミンDについて聞いたことがあると思います。最も知られているところでは骨形成に深く関与するビタミンで、骨粗鬆症予防のため処方薬としても使われています。
今回ご紹介する論文はビタミンDとカルシウムを内服した場合、骨折などを予防する効果があるのか、ないのかを過去の主要な論文を統合解析(メタ解析)してまとめています。解析対象となった論文は69本、153902人のデータです。年齢の中央値は約71歳で多くは自立している方で、施設入所者など高リスク群は全体の3割弱でした。この中で骨折や転倒の既往がある方は10%未満、ビタミンD欠乏症の方はほとんど含まれてない集団が対象にされています。ですので、どちらかというと、『一見、自立し元気そうだが、骨折が心配で内服している人』に対して、ビタミンDやカルシウムにどの程度効果があるのか?を評価したものです。
結論はカルシウム、ビタミンDの単独内服もしくは両者の併用は、対象の一般成人において骨折、転倒の予防効果を示すことができませんでした。本論文の結論としては骨折や転倒予防のみを目的としたルーチンのサプリメント投与は支持されないとされています。
どの程度の骨粗鬆症があれば有益かどうかなど、細かな点が検討されていないので限界はありますが、『なんとなく心配だから』ですとか『周りも飲んでいるから』といった根拠に乏しいサプリメント感覚での内服はどうやら有益とは言えないようです。ビタミンDにも活性型かどうかなどの種類もありますし、過去の報告では骨塩が増えた、という報告も複数あります。ただし、骨塩が増えることと、骨折が予防できることは実際には異なることですし、内服する目的は骨折予防ですから、良さそうだから何となく飲んでいる、というのは思ったほどの効果がないのかもしれません。
目的をもって、自身の責任の中でサプリメントを摂るということは許容されますが、私たち医療者も根拠なしに処方したり、これを読まれる皆様も『なんとなく心配』という程度なら内服する必要性をしっかり考える必要がありそうです。