2022年06月06日 予防接種

子宮頸がんワクチンをお受けいただけます

当院でも子宮頸がんワクチンをお受けいただけるようになりました。
子宮頸がんとワクチンの意義についてしっかりお伝えしたいと思います。

ヒトパピローマウイルスと子宮頸がんの関係
子宮がんには子宮体がんと子宮頸がんがあり、それぞれ部位や特徴が全く異なる病気です。子宮頸がんは20~40歳代に多く、年間1万人に発症し、その原因の多く(約95%)はヒトパピローマウイルス(HPV)になります。性交渉などで全女性の50~80%はこのウイルスに感染する可能性がある1)とされています。

子宮頸がんの原因ウイルスは16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、66、68型2)とされ、尖圭コンジローマのような良性のイボの原因は6、11型になります。ウイルスが持続的に感染すると、細胞が徐々に変性(異形)し、前がん病変からがんに移行するとされています。また、子宮頸がんだけではなく、肛門がんや膣がん、陰茎がん、中咽頭がんの原因にもなります。

ワクチンの種類
2および4価ワクチンは原因ウイルスの60~70%を占める16および18型をカバーしています。いずれも組み換えDNA技術を用いて、ウイルス表面のタンパク質を抗原として用いています。

HPVワクチンには大きく分けて3種類あります
2価(サーバリックス):16および18型
4価(ガーダシル):16、18および尖圭コンジローマの原因となる6、11型
9価(シルガード9):6、11、16、18、31、33、45、52、58型

対象年齢(定期接種)
4価ワクチン(ガーダシル)を公費でお受けいただく場合
小学校6年~高校1年相当の女性
キャッチアップ接種
定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方(以下の条件を満たす)向けに接種の機会があらためて提供されています。
・平成9年度生まれ~平成17年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日)の女性
・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
*9価ワクチン(シルガード9)を自費で接種される場合、9歳以上からが対象になります。
*自費接種および公費対象外等については受付にお問い合わせください。

接種の実際
体内で適切に抗原に反応し、抗体産生が行われるにはワクチンを筋肉内注射することが最も有効であるとされています。3)ワクチンを複数回接種することで、少なくとも10年以上は効果が持続することが証明されています。

接種プログラムの実際(いずれも筋肉注射)
子宮頸がんワクチン 接種スケジュール

接種の際にご理解いただきたいこと
✓接種後30分程度、ご様子を拝見させていただきます。
✓もし、接種途中で妊娠された場合、追加接種をいったん見合わせてください。
おおむねご出産から1年程度あけてから接種を再開してください。

効果
2価、4価ワクチンともに発売前の臨床試験で、未感染者に対してHPV16および18型をほぼ100%予防し、HPV16、18型による前がん病変の発生をほぼ100%予防することが報告されています。4)

HPVワクチン接種プログラムを導入したスコットランドでは導入以前のワクチン未接種世代と比較し、子宮頸がんの前がん病変の発生が80%以上低下していました。5)

また、スウェーデンからの報告では、10~16歳でワクチン接種(4価)を受けた場合、未接種者と比較し、88%子宮頸がんの発症を減少させることが示されています。17歳~30歳では53%の減少にとどまる6)ため、早い段階(若い世代)での接種が重要と思われます。

子宮頸がんワクチン発症率

副反応について
諸外国の報告でも有意に頻度の高い重篤な有害事象は認められないとされ、安全性と有効性が十分に証明されていることからWHOではHPVワクチンを国の接種プログラムに導入すべきであると推奨しています。7)
注射部位の疼痛や発赤、腫れなどは8~9割の方に生じます。また、注射部位の疼痛や不安などが原因でめまいや気分不快、失神などに至る事例が稀に認められるため、接種後30分程度では念のため異常がないことを確認する必要があります。

日本においてワクチン接種後に報告された広範な疼痛や運動障害、起立性調節障害などを含む多様な症状は国内外において慎重に解析が行われましたが、このような症状とワクチン接種との因果関係を科学的・疫学的に証明した報告はありません。2017年厚生労働省の第31回副反応検討部会において医師または企業が重篤と判断したものは10万人あたり51.1人であると報告されました。8)

子宮頸がんワクチン接種後に生じた症状の診療に係る協力機関について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/medical_institution/index.html

健康被害救済制度とは
予防接種の副反応による健康被害は、極めて稀ですが、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html
また、9価ワクチンの場合には予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度ではなく、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく医薬品副作用被害救済制度の対象となります。
https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html

公費について
接種対象者は2および4価のワクチン接種について公費負担になります。
9価ワクチンは公費扱いではないので、全額自費になります。(2022年5月現在)

自費でお受けいただく場合
4価:16,000円/回 3回合計48,000円
9価:28,000円/回 3回合計84,000円
になりますので、公費対象外の場合、上記費用(ワクチン・接種費込み)をご用意ください。

内容をお読みいただき、ご本人およびご家族が接種について十分に納得された後、ご連絡ください。(お手元に自治体からの接種票を事前にご用意ください)
当院ではお電話でご意思を確認させていただきました後、ワクチンの取り寄せを行います。(予約制)

本ワクチン接種は、各市町村が主体となって実施しています。
詳細については、市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。

厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
日本産科婦人科学会HP
https://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4
目黒区HP
https://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/hoken_eisei/shinryo/yobosesshu/keigan.html

参考文献
1)J Natl Cancer Inst Monogr, 31: 3-13, 2003.
2)Nat Rev Cancer, 2: 342-350, 2002.
3)Vaccine 24:S106-S113, 2006
4)N Engl J Med 356: 1915-1927, 2007.
5)BMJ 365: 1161, 2019.
6)N Engl J Med 383: 1340-80, 2020.
7)WHO Weekly epidemiological record No 19, 92, 241–268, 2017.
8)第 31 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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