その“ちょっと”に気をつけましょう
フライにソース、刺身に醤油、いろいろな調味料を加えて最近では“味変”なんて言葉も普通に使われるようになりました。ただ、この“ちょっと”が体にとってあまり良い影響ではない可能性があります。
最新の報告では、今まで心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)になったことがない176570人を対象に11.8年経過を見て、日常的に食事の際に味変(塩をふる)をする人としない人について血管病の発症頻度について検討されています。
観察期間中、9963人が心血管疾患を発症(虚血性心疾患、狭心症や心筋梗塞)し、2007人が脳卒中、2269人に心不全を認めました。味変しない人の方が日常的に味変する人に比べ23%も心血管疾患の頻度が低いことがわかりました。特に心疾患ではその傾向が強く認められています。今回検討された中で最も注目すべきは、健康食で有名なDASH食(https://nakameguro-cl.com/news/healthyfood/)を意識し、味変をしない人が最も心血管疾患危険性が低かったというものです。
つい、ソースや醤油をつけすぎたり、塩をふったりしてしまいますよね。このちょっとした食習慣の改善だけで、長い目で見れば病気の可能性を下げることができるかもしれません。
明日から、その“ちょっと”に注意してみてはいかがでしょうか?
参考文献
J Am Coll Cardiol 2022;80:2157–2167
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創