2024年09月13日 からだの情報

新しい心房細動治療ガイドラインからのメッセージ

前回に引き続き、欧州心臓病学会会議(ESC2024)で発表された最新の心房細動ガイドラインについて触れたいと思います。心房細動については自身が不整脈専門医ということもあり、からだの情報でよく触れているトピックスです。心房細動というと、脳卒中予防がすぐに思い出されますが、今回のガイドライン改定で包括的で総合的なアプローチがさらに求められるようになりました。

改訂の背景として過去10~20年で心房細動の診断および治療は大きく変化しました。
・生活習慣が発症や予防に与える影響
・脳卒中予防のための抗凝固療法の進歩
・カテーテルアブレーションによる根治的治療
・携帯型心電計などによる早期検出や治療後の評価
などなど・・・本当に多くの議論がなされてきました。

今回改訂されたガイドラインでは総合的な管理を『CARE』としてまとめています。
C:併存症とリスク管理
運動不足、飲酒、喫煙、肥満、睡眠時無呼吸症、高血圧、糖尿病、既存の心疾患など
A:脳卒中や塞栓症予防
適切なリスク層別化と必要に応じた抗凝固療法
R:症状の軽減と心拍数およびリズムコントロール
動悸や心不全など有害な症状をコントロールするため、心拍数調整や洞調律維持を行う
E:定期的なしっかりとした評価
行った介入に対する評価を適切に行い、フィードバックする

生活習慣などへの介入がほかの治療と同列にされていることがポイントで、最近の傾向として心房細動発症のリスクを抱えている段階から早期に介入し、予防につなげることが重要視されています。

参考URL
https://www.escardio.org/Guidelines/Clinical-Practice-Guidelines/Atrial-Fibrillation

 

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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