心房細動と生活習慣との関係
心房細動は不整脈医にとって非常にコモンな不整脈です。
有病率は全人口の1.0%程度とされ、加齢とともに増加していきます。
心臓は大きく心房と心室に分かれますが、心房がけいれんするように不規則に興奮することから様々な問題を招きます。特に問題になるのが脳卒中です。けいれんした心房は本来の役割を果たさないので、心房内に血液のよどみができ、血栓(血の塊)ができやすくなります。できるだけならよいのですが、それが脳など重要臓器に飛んで行ってしまうことがあります。
一般に、心房細動にともなう脳卒中は脳へのダメージが強いことが多く、障害が残りやすいため、薬物的に血液をサラサラにすることで予防を行う必要があります。そんな心房細動ですが、高血圧、心不全などの心疾患、糖尿病,肥満,睡眠呼吸障害,高尿酸血症,喫煙,飲酒,遺伝などとの関連が深いとされています。
個々人で飲酒との関連が強いケース、高血圧が主な原因と考えられるケースなど様々です。ですので、しっかりお話を伺い、適切な生活指導を行っていくことが心房細動の治療では非常に重要になります。
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創