忘年会は不整脈にご用心!?
12月に入り、忘年会シーズンになりました。受診されている方のお話を伺うと、例年よりお酒を飲む機会が増えている方が多いようです。楽しく語らいながらお酒を酌み交わすことは決して悪いことではありません。健康はあくまでも人生を楽しむための手段なので、お酒もほどほどであれば何ら問題ないと個人的には思っています。
Holiday heart syndrome(ホリデーハートシンドローム)という言葉を聞いたことがありますか?週末に楽しくお酒を飲んだ後、不整脈発作(心房細動)を起こすことを言います。週末だけでなく、エブリデイハート云々のような方もいらっしゃるかもしれませんが、アルコールと不整脈発作の関係は以前から指摘されていました。最近の論文でも飲酒後半日程度経つと、期外収縮や心房細動などを生じやすいことが確認されています。アルコール摂取により睡眠の質が悪くなることや自律神経バランスを崩し交感神経が過度に興奮することから様々な不整脈が来たしやすくなるようです。
普段慣れないお酒をたくさん飲んだ翌日は動悸を自覚しやすくなるかもしれません。これから年末年始どうしても飲酒をする機会が増えると思います。楽しさのあまり体が悲鳴を上げない程度に『ほどほど』を心がけて下さい。
参考URL
European Heart Journal (2024) 45, 4938–4949.
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創