コーヒーは“からだに良い”飲み物なのか?
コーヒーは私も大好きな飲み物です。香りや苦み、酸味などが個々で微妙に異なり、とてもバリエーション豊かだと思います。町を歩くと、素敵なコーヒー専門店に目が留まるのは私だけではないと思います。そんな誰もが楽しめるコーヒー、かなり以前から体への影響について研究されてきました。
コーヒーというとカフェインの代名詞になっていると思います。町で売られているスモールサイズで平均100㎎程度含まれているのだそうです。コーヒーにはカフェイン以外にもとても多くの成分が含まれています。少なくとも今わかっている大切な成分をいくつか紹介したいと思います。
トリゴネリン
苦みのもとになっている成分で血糖や脂質を改善し、片頭痛にも効果があるようです。また、心を落ち着かせ、記憶の改善、抗菌効果など様々な効能が報告されています。
クロロゲン酸
苦み、酸味などのもとになっており、いわゆるポリフェノールの一つになります。抗酸化、抗炎症作用があり、がん、糖尿病、高血圧改善に効果があるとされています。
カフェストール
胆汁酸合成を抑制する作用があり、コレステロール値を上昇させる可能性が示唆されています。ある程度濾過されることが分かっているので、フィルターを使ったコーヒーならその作用を抑えることができるでしょう。
個々の成分にプラスの影響をもたらす薬物的効果が仮にあったとしても、実際の効果がどの程度あるのかは何とも言えません。個体差、摂取量、代謝、摂取タイミング、他の食事との影響など、多くの要素を考える必要があり、食べ物や飲み物の体への影響を検討することは非常に難しいです。むしろ、私どもが日常的に処方しているクスリのほうが市場に出回る前に薬効から副作用まで十分に検討されています。言い方を変えると、クスリはデメリットまで詳細に検討されているが、一般的な食べ物はそこまで詳細に調べることがとても難しいということになります。ですので、普段我々が口にしている食べ物、飲み物が必ずしも無難であるとは限らないことになります。
話しをもとに戻しましょう。そうは言ってもコーヒーにはどうやらそれなりにプラスの効能がありそうなのです。その点については次回以降お伝えしたいと思います。
参考文献
Biomed Res Int. 2020 Jul 24;2020:7909703.
Crit Rev Food Sci Nutr. 2021 Aug 28;1-24.
私の診療所がある中目黒にはコーヒー専門店がたくさんあります。
その一つをご紹介いたします。
オニバスコーヒー中目黒店
https://onibuscoffee.com/
https://onibuscoffee.com/pages/copy-of-onibus-coffee-nakameguro
古民家をリフォームし、テラス席もあり、とても素敵です。先日水出しアイスコーヒーをいただきましたが、程よい酸味が口当たりさっぱりでとても美味しかったです。お店の方も明るく親切で雰囲気も最高でした。
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創