ペットとの時間は認知症予防になっているかもしれません
日本は今、ペットブームとされ、イヌやネコがご自宅にいる方はとても多いと思います。我が家も10年近く飼っているイヌがいますが、仕事から帰った後や、休日一緒に過ごすととても気持ちが満たされるのを実感します。朝晩の散歩、食事、トイレ、時にシャワーを一緒に浴びたり、自身のこと以上に一緒にいる時間を大切にしている方も多いと思います。
そんな『大切な家族』との時間が認知症予防になるなんて、想像したことはありますか?
最近発表された報告では日本の高齢者(65歳以上)の中でイヌを飼っている人は,飼っていない人に比べ、認知症発症の危険性が約40%程度低いことが示されました。ただし、興味深いことにネコを飼っているかどうかは認知症発症の程度に影響がないことが示されました。イヌの世話はネコよりも比較的手がかかるので、日々のメリハリ、社会的つながりが維持されることなどが認知症発症に抑制的に効いていたことが考えられます。
日々の癒しだけでなく、認知症を予防している可能性もあるなんて、太古の昔から続くイヌとヒトとのつながりはいろいろな意味で切ってもきれないものなのかもしれません。
運動不足の私も健康のために『イヌに散歩に連れて行ってもらっている』という考えのほうが正しいかもしれませんね。
引用文献
Prev Med Rep. 2023 Oct 7:36:102465.
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創