糖尿病の方はガンと認知症にも要注意!

糖尿病というと、目が悪くなる、腎臓が悪くなって透析、動脈がつまって脳卒中や心筋梗塞といったイメージをお持ちの方が多いと思います。実際、内服薬やインスリンを始めとする薬物治療の主なターゲットは血管病の予防、さらには腎臓を保護することでした。
一方で以前から糖尿病になるとガン合併のリスクが高まることは分かっていました。ですので、動脈硬化を予防するという視点だけですと、健康を維持するという意味では不十分でした。
最新の論文ではそれを示唆する内容が報告されてきています。世界主要11か国の2000年から2023年のデータが比較検討されました。糖尿病の既往がある270万人と糖尿病がない1100万人の死亡例を比較し、その原因がどのように推移していたのかが検討されました。結果は多くの地域で糖尿病全体による死亡は低下していましたが、認知症にともなう死亡が増加し、一部地域でガンの増加が認められました。血管病については一貫して減少傾向で、今後、認知症やガンについてより注目して診療する必要性が確認されました。
薬物療法の進歩は動脈硬化性疾患の予防にかなりの効果があることが分かっていますが、一方で予防が難しいガンや認知症などの早期発見や早期介入をどのように行っていくべきかが今後大きな課題になりそうです。
引用文献
Lancet Diabetes Endocrinol. 2026 Mar 9:S2213-8587(25)00398-5.