健診で医師の診察は必要なのでしょうか?
健診や人間ドックでは必ず医師の診察があります。貧血や黄疸の有無、甲状腺が大きくないか、足にむくみはないかなどを評価します。その中で最も重要なのは胸部の聴診です。
これだけ医療が進化したのに聴診が未だに必要なのか?
この質問には明確に『イエス』とお答えしたいと思います。
私の専門は循環器(心臓・血管)ですので、心雑音からその必要性についてお伝えしたいと思います。
おおむね健診では1%弱に心雑音を認めるとされています。心雑音は主に心臓のお部屋とお部屋を仕切っている『弁』に異常がある(弁膜症)場合に生じます。胸部レントゲンや心電図では弁膜症の有無まで評価することはできません。すべての方に心機能を詳細に評価できる超音波を行えばよいかもしれませんが、時間やコストなどの様々な面から現実的ではないので、今でも聴診の意義は衰えていないと思います。
心雑音の中に定期的なチェックや時に治療が必要な弁膜症を認めることがあります。
健診で一度でも心雑音を指摘されたら是非ご相談ください。
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創