睡眠時無呼吸症候群といびきの関係
いびきは睡眠時の呼吸(気流)の乱れを他覚的に『音』として認識できることを言います。いびきそのものは加齢などによる影響を受けるため、直接病気と言えるものではありませんが、いびきをかく人の中で呼吸がとまってしまう、もしくは呼吸しているかわからないくらい弱くなってしまっている人がいます。これが睡眠時無呼吸症(閉塞性)と言われるものです。
いびきをかいているということが睡眠時無呼吸症を見つけるきっかけになります。
いびきは加齢や肥満などにより発症しやすくなるとされていますが、もともと鼻炎などによる鼻づまりや鼻中隔湾曲症で口呼吸になりがちな方も注意が必要です。その他、のどの扁桃腺が非常に大きい場合なども原因になります。実は小児でも無呼吸症はあり、そのほとんどはアデノイド(扁桃肥大)が原因とされています。また、下あごが小さい方は解剖学的にあごが後方に後退しているため気道は狭くなりやすく、いびきをかきやすいとされています。
いびきをかいている人をよく見ると、口を開けて寝ていたり、下あごがのどの方に下がっていたりします。このような物理的な圧迫が睡眠時の呼吸を妨げ、いびきの原因となっているのです。
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創