2024年10月17日 からだの情報

タバコをやめると心房細動を予防できる?

心房細動は加齢とともに発症率が増し、生活習慣病や睡眠時無呼吸症、肥満、飲酒などと深い関連があります。喫煙と心房細動について関係を示す論文報告は過去あまりないのですが、最新の論文でその可能性が報告されました。

喫煙はご存じのとおり、動脈硬化、慢性閉塞性肺疾患、肺がんなどと強い関連が示されています。今回の報告は146672人を対象(48.3%が女性 平均約57歳)に喫煙者(25.5%)、過去に喫煙していた人(72.0%)、禁煙者(2.7%)を平均12.7年観察し、その後の心房細動発症頻度を比較検討しました。報告では喫煙者に比べ、過去に喫煙していた人は発症率が約13%減少、禁煙者では約18%減少しました。タバコと心房細動の発症や禁煙の効果について、論文中では主にニコチンと不整脈発症との関連や酸化ストレス、それに伴う全身性炎症との関係が示唆されています。ただ、個人的には禁煙にともないわずかに生活習慣が変わり、その結果として何らかのプラスの予防効果をもたらしている可能性は完全に除外できないので、断定的なことまでは言えないと思っています。今後、タバコと心房細動にともなう合併症の頻度との関連のような別の方向からの考察が進み、飲酒と心房細動のように強い関連が示されれば、生活指導にも有用な情報の一つになると思われます。

参考URL
J Am Coll Cardiol EP. Sep 11, 2024. Epublished DOI: 10.1016/j.jacep.2024.06.019

 

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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