糖尿病がガンのリスクになることをご存じですか?
糖尿病といえば、血管病、つまり脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの動脈硬化による病気をまず思い浮かべると思います。しかし、以前から糖尿病になるとガンになりやすいということは医療者の間では常識でした。このことを一般の方は意外に知らないと思います。
最近論文化された報告でも、糖尿病は大腸ガンのリスクを1.47倍増加させ、特に診断されてから10年以上経過した方と比べ、最近診断された方ではさらにリスクが高まり、2.5倍以上の危険性があるということが示されました。
糖尿病による高血糖と高インスリン血症が結果的にガンの発育や進展に関係するとされています。血管病だけでなくガンの発症にも関係するなんて、驚いている方もいると思います。糖尿病にならないように、また糖尿病の方はしっかりコントロールしていきましょう。
参考文献
JAMA Network Open. 2023;6(11):e2343333. doi
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創