どうせ運動するなら、いつが良い?
朝のラジオ体操、イヌの散歩、夜はジムで筋トレやジョギングなど、ライフスタイルで運動の内容は様々だと思います。ただ、どうせやるなら体に良い時間帯にやりたい!そんな気持ちにはならないでしょうか?これまで運動の適切な時間帯については十分な研究はされていませんでした。最近になり、参考になりそうな論文が発表されたので、お伝えしたいと思います。
BMI30以上(身長170センチなら体重85~90キロ程度の方)で糖尿病がある方(29836人)を対象にいつ運動を行っているかで朝、昼、夕の3群に分け、約8年程度観察し、心血管病の発症や全死亡について検討が行われました。ちなみに運動の定義は連続3分以上とかなりゆるめ・・・。
結果ですが、時間帯に関わらず運動は全般的に良い傾向でしたが、その中で夜に運動を行った群では全死亡や心血管病の発症低下により強い効果があることが示されました。なぜ?そうなるのかの一つの理由として、夜に運動を行うほうがインスリンの感受性が改善したという研究結果があり、このことが病気の予防につながった可能性が示唆されています。
仕事帰りに一駅歩く、普段行かない駅で降りて散歩してみるなど、生活にメリハリを加えることが実は健康によいかもしれませんね。
参考文献
Diabetes Care 2024;47:890–897.
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創