運動強度ってイメージできていますか?
運動をすると体によい、ということはどの方もご存じだと思います。
ネットや雑誌を見ると『軽い運動でも健康に!』とか『激しい運動は逆に健康を妨げる』と書いてあることがあります。ただ、実際どの程度の運動が好ましいのか?はなかなかイメージできないと思います。
では、その軽い、激しいなどの運動強度の基準とはどのようなものなのでしょうか?
運動強度そのものは体に取り込まれる酸素の量を指標にしています。METs(メッツ)は日常的に使われる指標で、安静時酸素摂取量3.5ml/kg/分を1としたときに、その運動で何倍のエネルギーを消費できたかで運動強度を示しています。例えば、家でテレビを見ることは1メッツ、ウオーキングは3メッツとされ、テレビを見るよりも歩くことは3倍酸素摂取を行っているということになります。
一般に、健康によいとされるのは中等度くらいまでの運動とされています。
では、中等度とはどの程度?何メッツ?でしょうか?
中等度とはおおむね3~6メッツ程度とされており、ウオーキングが3.5~4メッツ、階段をゆっくり上がるのが4メッツ、自分のペースで自転車をこぐのが約6メッツくらいですから、日常生活で動くということを意識することが最もよいことがわかります。ちなみに掃除機をかけたり、部屋の片づけは3~5メッツ程度です。こうやって考えると家事も立派な運動ですから、少し意識しながら日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。
参考
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創