認知症リスクにあなたはどのくらい当てはまりますか?

認知症は単に年齢による変化というわけではありません。
もちろん、加齢とともに発症リスクは増しますが、実は若いころからの生活習慣などが強く影響していることが分かっています。以前からよく知られている、運動不足や喫煙、飲酒などは想像しやすいと思いますが、視力や聴力低下も認知症リスクとされています。特に視力は重要で、私どもが生活で得るかなりの部分は視覚的情報からであり、視力の保持は重要です。一方、聴力は情報のインプットが減ることもありますが、聴力に係る脳神経自体が認知症で冒されると言われています。
そんな中で、生活習慣病とされる肥満、糖尿病、高血圧症、脂質異常症(特に高LDL血症)も重要な要素とされています。うつや社会的孤立、十分な教育を受けていないことなどもよく言われるリスクですが、是正可能という意味では適度な運動で体重を調整し、結果として生活習慣病を予防することは誰でも努力次第でできそうです。(言うは易くですが。)そんな中、脂質異常症について一石を投じる論文報告が最近ありました。次回は認知症と脂質異常症、そしてその治療についてお伝えしたいと思います。従来の議論に終止符を打つ非常に重要な報告だと思います。個人的にはようやくすっきりする報告が出たと安心しております。次回の『からだの情報』は必読の価値ありです。
参考URL
Lancet. 2024 Aug 10;404(10452):572-628.
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創