2022年06月21日 からだの情報

健康食をより具体的にイメージしてみましょう。

中目黒診療所キャラクター

前回は、健康食の概要についてお伝えしました。地中海食やDASH食は心筋梗塞や脳卒中を減らし、減量などの可能性も報告されています。ただ、具体的にどのようにすればよいのか?はちょっと分かりづらいと思います。今回はより具体的にお伝えしたいと思います。

まず、三大栄養素の構成について過去の論文を参考にご提示したいと思います。
脂質 37%(18%:一価不飽和脂肪酸 9%:飽和脂肪酸)
炭水化物 43%
タンパク質 15%
・・・ちょっとこれではピンとこないですね!(笑)
では、以下により詳細にお伝えしたいと思います。

✓炭水化物
全粒粉、玄米、シリアルなどから豊富な繊維やビタミン、ミネラルを摂取できます。最近は健康志向も強くなり、外食でも全粒粉のパンや玄米を出してくれるところも増えてきました。玄米は食感もしっかりしていてなかなか美味しいです。精製された白米や小麦は皮などに含まれる繊維などが喪失するので、ある意味勿体ないと言えます。
また、スイーツにも注意が必要です。加工された糖分摂取は過剰になりやすいので、『お楽しみ』程度にしておきましょう。(お楽しみは個人差がありますが。)

✓タンパク質
肉より魚を意識して食べるということがとても重要です。肉も赤身肉、鶏肉(皮は×)を意識し、乳製品も低脂肪にしましょう。ベーコンやソーセージなどの加工肉はできるだけ減らすように心がけましょう。豆類からも良質なタンパク質摂取が可能です。

✓脂質
オリーブオイルを様々な調理で主に使うようにします。不飽和脂肪酸が豊富な魚(鮭、マス、ニシン、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、マグロなど)を意識して摂るように心がけましょう。
脂身の多い肉、加工肉、乳製品、市販のお菓子などは飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれ、できるだけ避けるべき食品と言えるでしょう。
このようなことを考えると、魚介類のカルパッチョって天才的な食べ物だと思います。

✓いろいろなものを摂るようにしましょう
野菜、果物をたくさん摂ります。ただ、ジュースにすると加工の過程で繊維などの重要な栄養素が喪失するので、“そのまま”で食べることがポイントです。

✓調理の工夫
ハーブやスパイスなどの調味料をうまく使って、塩分摂取を控えるようにしましょう。一部の調味料にはポリフェノールなども含まれており、より体に良い可能性があります。塩分摂取量の制限はとても重要です。日常的な味付け、醤油やソース、塩の使い方は是非見直してみてください。調理自体もできるだけシンプルにし、素材の良さが残るようにしてください。

✓ワイン
ワイン自体がどの程度からだに良いか?は何ともいえません。ワインに含まれるポリフェノールもアルコール摂取で相殺されると思われ、1~2杯/日程度が妥当と考えられます。最近ではアルコールがごく少量から体に悪影響をもたらすとされており、お酒が好きな方は注意しましょう。

地中海食などの健康食にはまだ未知の部分もありそうですが、以下にポイントをまとめたいと思います。
・玄米や全粒粉主体の炭水化物摂取は、血糖上昇を緩やかにします。
・繊維を豊富に摂ることで血糖上昇を抑え、余計な脂質摂取を制限することが可能です。
・魚などによる不飽和脂肪酸主体の食事はコレステロールを初めとする脂質プロファイルを改善し、動脈硬化に抑制的に働きます。
・豊富なミネラルの摂取や塩分制限は血圧上昇を抑えることが可能と考えられます。
・加工された食品(ベーコン、ソーセージ)には飽和脂肪酸や酸化物質が含まれ、動脈硬化、癌化を進める可能性がありますので、可能な範囲で避けることが望ましいと思われます。
・果物や野菜はジュースではなく、そのままで摂るようにしましょう。

では、次回はこのような健康食にどの程度の効果が証明されているのか?について過去の論文を紐解きながら解説したいと思います。

Nutrients. 2015 Nov 5;7(11):9139-53.

中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創

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