高血圧とコーヒーは仲が悪い?
今年最後の投稿は私の大好きなコーヒーで終わりにしたいと思います。
以前、コーヒーについてかなり細かく体への良い影響についてお伝えしました。
糖尿病、コレステロール、認知機能など、コーヒーの潜在的な可能性はお伝えしたとおりです。
コーヒーはからだに良い飲み物か?https://nakameguro-cl.com/news/coffee/
コーヒーで心疾患予防はできるのか?https://nakameguro-cl.com/news/coffee-2/
コーヒーに認知症予防効果はあるのでしょうか?https://nakameguro-cl.com/news/coffee-3/
コーヒーは糖尿病予防に有効か?https://nakameguro-cl.com/news/coffee-4/
コーヒーをいつまでも楽しめるようにhttps://nakameguro-cl.com/news/coffee-5/
しかし、少々注意すべき論文が日本から報告されました。
高血圧がある方を対象にコーヒーと緑茶が健康に与える影響について検討されました。
18609人(男性6574人 女性12035人)を平均18.9年観察したところ、収縮期血圧160mmHg以上もしくは拡張期血圧100mmHgの場合、日に2杯以上コーヒーを飲むと心血管疾患による死亡の危険性が約2倍(HR 2.05)になるというものでした。
もともとコーヒーは糖尿病予防やコレステロール低下作用など、比較的ポジティブな報告が多いですが、著者も論文の中で述べているようにカフェインの一時的な血圧上昇などが何らかの悪影響をもたらしている可能性はあると思われます。ただ、よく読むと実際に亡くなった方の人数が比較的少なく、統計的に有意であることと、実際に我々が生活上注意すべきかどうか?については若干の乖離があるように思われます。
唯一言えることは、コーヒーの飲みすぎは良くないかもしれないということです。この論文でも1杯/日までの場合、心血管に与える危険性はないとされています。
以前にもお伝えしたとおり、数杯/日くらいまでにしておくほうが無難かもしれません。
参考文献
J Am Heart Assoc. 2022 Dec 21;e026477.
中目黒診療所 内科・循環器内科
院長 西原崇創