おススメの本をご紹介します！

健康に関する本は本屋さんに行けば所狭しと並んでいます。
ただ、私のような内科を専門に長年従事してきた者からすると、ほとんどが『トンデモ本』で一般の方に悪影響が強いなと思われる本が多いように思います。
・『・・・』を食べるとガンが治る
・『・・・』で腰痛が治った
・『・・・』で頭痛が消えた
・『・・・』でガンが消えた
・『・・・』で心臓病を克服した
批判覚悟に申し上げますが、このようなうたい文句の本はほとんどがウソと言ってよいと思います。著者本人の私見、ごくわずかな経験、一部の人の意見を一般化することは好ましくないだけではなく、非常に危険です。

現代医療は、何万何千というデータの蓄積と解析を行った知見をもとに妥当性が高いと考えられる治療が選択されるようになっています。このような現代医療を支える学問に疫学というものがあります。疫学は集団の中で事象の頻度や分布を解析して、個々の関連を考察し、健康の様々な問題に役立てるようにするものです。この疫学の中で、栄養疫学という分野があります。民族間の栄養摂取状況を調べたり、個々の人種の食傾向の特殊性と疾患や寿命、健康との関連を調べるものです。この分野で日本のパイオニアとも呼べる佐々木敏先生（元東京大学教授）が書かれた一般の方向けの書籍があります。（添付写真）これらの書籍はやや専門的ではありますが、客観的で一般化しやすい内容が書かれています。内容についてはここでは割愛しますが、私自身、佐々木先生の本を拝読させていただき、とても勉強になっています。ご興味ある方は是非、手に取ってみてください。

私がおススメする本は以下になります。
佐々木敏のデータ栄養学のすすめ
佐々木敏の栄養データはこう読む!
行動栄養学とはなにか?

中目黒診療所　内科・循環器内科
院長　西原崇創