ちょっとした生活習慣の見直しで認知症予防を！

徐々に年齢を経てくるとちょっとした物忘れなどが気になるようなってきますよね。
もちろん、加齢とともに若干記憶力が低下すること自体は不思議ではありませんし、あまり気にしなくてもよいと思います。ただ、ちょっとした生活習慣の改善で将来起きうる認知症がある程度予防できるのであれば、朗報と言えそうです。

最近、有名医学雑誌に一つの論文が投稿されました。
平均年齢72.23歳の方、29072人を約10年間経過観察したところ、6つの生活習慣を取り入れている人の方がそうでない人に比べ認知機能低下が緩やかであるというものでした。

その、6つの習慣とは！！
① 健康に配慮した食事であること
② 定期的に体を動かす習慣があること
③ 家族や周囲の人と会話をしたり、様々な人との接触があること
④ 頭をよく使う趣味を生活に取り入れていること
⑤ タバコを吸わないこと
⑥ お酒を飲まないこと

いずれも過去に様々な論文で報告されたものではありますが、やはり日々の習慣はとても重要のようです。食事は野菜、果物、魚やナッツなどバランスよくとること、運動は週に75分以上の比較的活発な運動か、150分程度の軽めの運動を行うこととされています。
注目すべきは多くの人と会話を楽しむことがとても重要であるということや、本を読んだり、手紙を書いたり、マージャンをしたりなど、活動的な日常生活も食事や運動と同等に大切であることです。仮にここで挙げられたすべてができなくても、『人と会うのが好き』、『大好きな趣味を続けている』などは、とても良いと思いますので、コロナやインフルエンザに負けず、是非前向きに人との関りを持ってみてはいかがでしょうか？

参考文献
BMJ. 2023 Jan 25;380:e072691.

中目黒診療所　内科・循環器内科
院長　西原崇創